名画に学ぶポーズ①

この記事では、肖像画オーダーの際に参考にしたいポーズについて解説します。

肖像画というと王族や貴族のドレスアップしたカメラ目線の絵が浮かぶかもしれませんが、「肖像」とは「特定の人物の外観を表現した写真や絵画」のことで、横顔や下を向いたものもあります(人物画、という方がわかりやすいかもしれません)。

女性の美しさは日常のふとした動きの中にあります。
写真を撮るときのように意識してポーズを取らなくても、生活のワンシーンに宿る美を切り取ることが、絵画の醍醐味です。

※以下、出典は全てwikimedia commons

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牛乳を注ぐ女(ヨハネス・フェルメール 1657年~1658年頃)

この絵に描かれているのは使用人の女性だと言われています。
ドレスアップなんてしていない、袖を捲り上げて家事をしている、日常のワンシーン。
そんな当たり前の光景は、絵画になるとこんなに美しいのです。

読書する娘(ジャン・オノレ・フラゴナール 1769年頃)

多くの画家が本を読む女性の姿を描いています。
文字を追う表情は伏し目になり、瞼が目を覆い、睫毛が下を向く。

本を持つ手も、細い指や手首といった女性らしいパーツです。
また、知性の象徴とされる本を描くことで、知的な印象を与えます。

プシュケの鏡(ベルト・モリゾ 1876年頃)

この絵を描いたのは、19世紀フランスの女流画家ベルト・モリゾ。
彼女はエドゥアール・マネの絵画モデルとしても知られています(二人は恋仲であった説がありますが証拠はなく、ベルトはマネの弟と結婚しました)。

プシュケは傾けることができるフランス製の鏡。
女性が鏡の前でドレスを整えている姿が描かれています。
身支度をしている、やはり女性の日常の姿です。

モリゾは共に絵を学んでいた姉(エドマ・モリゾ)が子育てで絵の道を諦めたことを残念に思っていたということ、男性中心だった19世紀の女性画家ということもあり、女性の日常を切り取った絵が特に多いように感じます。

美は日常にあり

こうして見てみると、私たちもいつも当たり前にしている行動・仕草だったりしますよね。
そんなワンシーンを、一枚の絵にしてみませんか?

ただ動いている時には気付かなかった美が、あなたにはあるのです。

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