この記事では、「号数」と呼ばれる絵画のサイズについて解説します。
絵を描く人以外にはあまりなじみのないものかと思いますが、絵を購入する、額を選ぶ際に知っていると便利です。
絵画サイズは大文字アルファベット+数字
絵のサイズは「F3号」のように表記します。
コピー用紙の「A4」とか「B5」のような感じです。
F3号の絵を購入した場合、額縁もF3のものから選びます。
大文字アルファベットは絵画の「短辺の長さ」
アルファベットは絵画の短辺の長さを意味し、F/P/M/Sの4種類があります。
・F (Figure=フィギュール…人物)
・P (Paysage=ペイサージュ…風景)
・M (Marine=マリーン…海景)
・S (Square=スクエア…正方形)
Sは形そのものの名前ですね。
人物を描くのに適しているのはF。
風景画ならP。
…と、絵画を美しいバランスに見せるための比率のことです。
※もちろんMに人物を描いても、Sに風景画を描いても良いです
数字は絵画の「長辺の長さ」
数字は長さそのものを表しているわけではなく、3号なら長辺が273mmといったように、長辺の長さの番号です。
1号、2号…と数字が大きくなるにつれサイズも大きくなります。
一番小さいサイズは0号(長辺180mm)です。
サムホールとは?
サムホールは特殊なサイズで、1号と2号の中間くらいのサイズです。
箱の底に親指(thumb)を入れる穴(hole)が開いたスケッチ用の箱が由来とされています。
しかし「TH」でなく「SM」と表記されるのは、このスケッチ箱が日本の画材店で考案されたものだからだと言われています。
サムホールだからSM。
日本人にわかりやすく表現されている…というわけですね。
(油絵の用語はフランス語やイタリア語が混在しており、絵を描く人はみんな普通に覚えて使っているのでサムホールがTHでもわかると思いますが…)
サムホールは日本独自のサイズ・呼称のようです。
日本サイズと海外サイズの違い
日本と海外では、他のサイズも若干の誤差があります。
西洋画が入ってきた当時の日本は、サイズはメートル法でなく尺貫法に基づいて表記されていました。
※尺貫法は日本古来の長さや面積を測る単位。中国起源の計量法です。
1959年には尺貫法が廃止され国際規格に統一されたのですが、今でも大工さんや住宅関係の方、着物業界の方は〇尺とか〇寸とか使われます。
お酒の「一升」とか、お米の「3合」なんかも尺貫法の名残りです。
尺貫法をメートル法に置き換える時、わずかな誤差が生じます。
もともとのフランスの規格をベースに、「〇尺〇寸」のような日本のサイズに置き換えられたものが、更にメートル法に換算されたため、日本サイズと海外サイズで誤差があるというわけです。
絵画サイズ一覧表(日本サイズ)
以下は日本の絵画標準サイズです(単位はmm)。

サイズによってはパネルや額が見つかりにくい
上の一覧表が規格のサイズなわけですから、市販品の額も当然その規格で作られます。
画材店でパネルやキャンバスを探す際も、よく使われるF3やF4サイズのものは在庫が多くあります。
額やさんでも同じことが言えます。
反対に、パネルも額も見つかりにくいサイズもあります。
メーカーさんによっては2号のパネルがなかったりします。
F1の額もあるにはありますが、取り寄せになったり、種類が少ないと感じます。
自分でホームセンターなどで板を買い、オリジナルサイズのパネルを作ることも出来ますが、もちろん額も特注になります。
飾るスペースに合うサイズを選びましょう
一覧表にはものすごく大きなサイズがありますが、コンクールに出品される絵は大きいほど目立つ=審査員の目を引くため、100号までが規定なら100号を出す、というのが定石です。
もちろん100号は一般的な住宅の壁面に飾りやすいサイズとは言い難いですし、パネルも額も大きいほど価格が上がります。
梱包資材や配送に係る費用も高くなります。
F10はスケッチブックでもけっこう重いですから、木製のパネル+額だとなかなかの重さなのです。
額にもよりますが、額に入れるとパネルの上下左右に+5cmほど大きくなる、とイメージして下さい。
画像はおすすめの3つのサイズをiPhone XSと比較したものです。
Life+Artでは額装しても大きくなり過ぎず、パネル・額ともに見つかりやすい、飾りやすいサイズを取り扱っております。

本記事が参考になれば幸いです。